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年齢制限の不思議

日本のゴルフクラブでは入会資格を35歳以上などに制限するところがあるが、年齢で制限する理由がよくわからない。 35歳以上にならないと入会の資格をみたさないとは具体的には何を意味するのだろう?35歳以上でも入会を認められない人もいるだろうし、35歳以下でも全く問題なくその他の条件を満たす人もいるだろう。分かりやすい制限、というのが唯一のメリットであるように見える。 このような制度が採用されている事情を説明する一つの仮説として、アメリカのクラブの仕組みを輸入したことが考えられる。しかし、かつてはともかく、今のアメリカのクラブの多くでは、メンバーとその配偶者またはパートナーと20歳以下の家族は会員とほぼ同等の扱いを受ける。また、21歳から30歳〜35歳まではジュニアメンバーという資格(入会金や年会費が安い)を設定しているところが多い。その上で会員資格を30歳〜35歳以上に制限しているのである。つまり、子供から大人までライフステージに合わせた資格が用意されているのである。 家族会員の他に、非在住者メンバーないし国際メンバーという資格を用意しているクラブも多い。これは休会制度とは違って、正会員との資格を自由に行き来できるものではないが、クラブから遠くに住んでいて来場頻度が少ない人向けの制度である。 入会資格はそれぞれのクラブが自由に決めるべきことではあるが、年齢や国籍、性別を条件にする時にはこのようなゴルフ先進国での例を参考に、今後ゴルフが次の世代に正しく継承されていくためにもクラブ内で十分な議論がなされることを期待したい。

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ベントグラスのテスト

1. 過去のテストを振り返って 将来のグリーン改造に向けて、これまでグリーン用芝品種の新しい品種のテストをしてきた。最初は管理棟の脇にあるナーセリーで、当時話題になっていた千葉県と雪印種苗が共同開発した「CY-2」という種類のベントグラスや「T-1」という種など4種類ほどを播種し経過を観察した。 その時にはテスト品種選定や播種からの生育など、管理側の経験不足もありテストとしては満足のいくものにできなかった。テストの目的は(1)貼り芝ではなく種子の播種によるターフの形成過程の観察と(2)芽数、直立性、耐暑性、耐寒性、耐病性、低刈り耐性などのターフクオリティの観察の2点であったが、そのいずれも結論を導くには不満足なテストに終わってしまった。 とはいえ、その4種類の中ではT-1が一番葉も細かく、密度も高かったため、それまでコーライグリーンだったアプローチ練習場のグリーンの床砂を入れ替え、排水を新たに取り直して移植してベント化した。その後、さらに別の3種類(「007」、「タイイ」等)を貼り芝して同グリーンでテストしている。アプローチグリーンでのテストの目的は上記の2つに加え(3)ボールマークのつき具合、および修復のスピードを観察することであった。これについては、現在コースで使用しているペンクロスに比較すればその新品種も、ボールマークのつきにくさが格段に向上していることがわかった。 現在のアプローチグリーンは最長でも30ヤード程度の距離で、しかもグリーンの構造が本番で想定しているUSGAグリーンではないこと、また過去の実験から播種からの生育に不安があったことなどから、場外に約1万平方メートルの土地を借りて100ヤード近いアプローチショットの可能なアプローチ練習場を作って本番と全く同様のテストができるようなグリーンを作ることにした。 2. 本コースと同レベルのテストグリーンによるテスト 2.1. 砂等の選定、グリーンの造成、および品種の選定 グリーンに使ういくつかの砂・グラベル(玉砂利)・ピートモスのサンプルをUSGA指定の研究所に送ってテストし、USGAの推奨する規格に合うものを選んだ。また、砂とピートモスの混合も自社で行い、グラベルの層が10cm、混合層が30cmの完璧なUSGAグリーンを作った。 テストする芝品種にはNational Turfgrass Evaluation Program (NTEP)での評価を参考に、現キーパーの眞利子氏がこれまで20種類以上のテストをしてきた経験からタイイと007を選び、国内外のトーナメントコースで使用され評価の高いA4とその後継品種であるピンハイ、それに、ここでのテストで評価の高いT-1の5種類を5月14日に播種した。 播種後1ヶ月を経過した時点では、初期生育についてはA4とその後継品種のピンハイが優れていて、僅差でタイイが続いている。007がそれに少し遅れているが、ほんのわずかな差である。T-1は他の4品種に比較すると初期生育は顕著に悪い。 2.2. 播種後1ヶ月で得た知見ー個人的感想ー 今回の播種でつくづく思うが、種からターフを作るのは本当に微妙でデリケートな作業だ。 そのうえ、今年の天候不良のためグリーンの造成に手間がかかり、想定より1ヶ月程度播種が遅れたため、結果として(ターフ形成も含めた)グリーン造成のストレステストもかねる結果となってしまった。実際、播種後に気温が30度近くに上がる日が何日かあったり、風が強く日が多く乾燥しやすいなど非常に条件の悪い環境でのテストとなった。現在のところ、結果としては生育状況は良好に見えるがこれからの梅雨を迎えるとどう変化するのか気になるところである。 種の状態であろうと、根や芽が出た後であろうと、芝にはとにかく水分が必要であるため、気温が高すぎたり風が強く吹くと乾燥して芝が死んでしまう。特に種の状態や、根が出たばかりのころには油断するとあっという間に乾燥してしまうため、日中はほとんどつきっきりで観察し1時間に1度は散水する必要があった。 播種して4日後には、肉眼では確認できないほどの発芽が観察された。その後、少しずつ根が伸びていったが、ほんの数ミリにもみたないため、グリーンに水が十分あるように見えても表面の1cmが乾燥してしまえば死んでしまう、本当に赤ん坊のような状態であった。そして、種が持っていた養分がなくなると病気になるため、適切なタイミングで殺菌剤と肥料を与えた。なお、A4の種子には殺菌剤がコーティングされているため若干楽ではある。 散水量も減ってきた20日目頃に最初の刈り込みを行った。目視では15mmくらいに伸びているように見えたが、刈り高は数度のテストの結果10mmで刈ることになった。これ以降は毎日刈り込みを行っており、比較的順調に密度が増している(一部、播種の際の道具の不具合から問題が発生している)。 2.3. これからの計画 千葉県もついに梅雨入りし、梅雨入り前に行う予定であった作業の予定に狂いが出ているため、これからどの程度のエネルギーをテストグリーンに割けるか難しくなってしまったが、ストレステストとして成功と失敗のラインが明確になる、と前向きに考えて行きたい。 これからは目砂を頻繁に行いデコボコな表面を平らにしていきながら、刈り高を落としていき、最終的には3.5mmから4.0mm程度で常時刈り込むようにしていきたい。目標は梅雨明けの7月20日頃には使用可能な状態にすることである。

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