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コーライグリーンの価値を再考する

コーライグリーンは絶滅の危機にある。ベントグリーンの需要が強く、コーライグリーンが避けられるからだ。しかし、地球の温暖化傾向や近年の酷暑に鑑みると、コーライグリーンの価値を再考してみる必要がありそうだ。 ベントグリーンが好まれる理由:プレーヤー編 これはゴルファーにとっては明らかであろう。ボールの転がりやスピードはコーライグリーンが逆立ちしてもかなわないし、「色」という見た目もベントが優れている。結局のところ、ゴルフは娯楽であり、「気持ちいい」と感じることが重要なのである。 ベントグリーンの弱点 ベントグリーンの弱点は主に管理面にある。ベント芝は「寒地型」と呼ばれる種類の芝草である。コーライは「暖地型」である。寒地型の芝は暑さに弱く、乾燥に弱いので、スプリンクラー設備が必須で、灌水はデリケートになる。結局これは管理費の負担や、夏場のダメージというリスクとなる。その点、コーライグリーンは夏場の管理が圧倒的に楽であり、年間でのコストも格段に低く済む。 ベントグリーンが好まれる理由:管理者編 管理コスト面でコーライが優れていても、実は管理者も多くはベントを好む傾向がある。暖地型の芝の成長のピークは夏しかないのに対し、寒地型は春と秋と二回ピークがあるので、ダメージからの回復が早いからだ。コーライグリーンを秋に痛めてしまうと、次の夏までの約一年間はそのダメージと付き合わないとならない。春にダメージを受けても夏に完全に回復しきらない場合もリスクである。このようなことから芝草管理者もベントグリーンを好むのである。 新世代のベント vs コーライ ベントの弱点は夏の暑さに弱いことである。しかし、この点については品種改良によってかなり克服されてきているし、毎年次々と新品種が発表されている。他方で、研究者の中には温暖化を踏まえて暖地型の開発に力をいれている人もいる。最近発表されている暖地型の新品種はバミューダ系のものであるが、コーライを含むゾイシアの開発もされているようである。 このように、芝草の品種同士の競争も激しく、環境の変化に対応するための選択肢は広がっている。なかでもバミューダ系の新品種は弱点であった密度も劇的に改善しているそうで、常夏の地域ではグリーンのコンディションは今後かなり向上するのではないだろうか。しかし、日本の大部分の地域のように寒暖の差が大きいところでは、どちらか一方が完全に凌駕することはないため、ゴルファーの好み、管理費用との相談、ということになってくるであろう。 京葉CCでは、新品種のベント芝が管理コスト、リスク、プレーヤーの満足度などの点から総合的に考えて優れていると考えている。

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