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新練習グリーン用の土壌サンプル分析結果詳細

ちょっとマニアックというか、同業者以外にはほとんど無意味な情報ですが、今つくっているグリーンに使う砂や土壌改良材の検査結果をここに報告したいと思います。 まずテストをしたラボですが、Tifton Physical Soil Testing Laboratoryという所です。USGAのサイトから認証をうけているラボを調べ、手順の説明のわかりやすさや価格などを総合的に検討してここに決めました。 テストの目的は今回使用する材料をどのように組み合わせればUSGAの基準を満たすか、ということです。砂、土壌改良材、砂利それぞれに個性があるので、それらの組み合わせによって結果が変化します。あるテストで基準を満たした砂と同名称(たとえばピートモス)の別の土壌改良材の組み合わせが基準を満たすかはテストしないと分からないのです。 USGAが推奨しているのは10cmの砂利層の上に30cmの混合層(通常は砂とピートモスのミックス)という構造なので、砂利、砂、ピートモスの3つの材料の組み合わせをテストします。傾向を見るために砂:ピートモスの比率を90:10、85:15、80:20でテストするのが標準ですが、検査する比率についてクライアントの要望次第です。今回われわれはピートモス以外に「プロファイル」という商品名の土壌改良材をテストしました。ピートモスが海藻から作られる有機物であるのに対し、プロファイルは無機物であるセラミックの一種で焼成し多孔質にしたものです。 この表はテストの主要結果をまとめたものです。テストは3つ、それぞれが3パターンをテストし傾向を探ります。ちなみに「多孔性」は土壌がどれくらいの空気を含めるかという空隙率を表しています。赤字で示したところはUSGA基準をみたさない項目です。 砂のみの検査結果をUSGAの推奨値と比較してみると、まず透水速度がかなり早いことと、土壌が水で飽和状態になったときの空隙率が低いことがわります。また、特に基準はないようですが、保水力も低いことが分かります。ピートモスなどの土壌改良材を混合するのはこのような欠点を改善するためです。 ピートモスの比率が上がると、透水速度が低下し、飽和時の空隙率が上り、保水性が高まることが分かります。プロファイルの場合は、透水速度が上昇し、乾燥時、飽和時双方の空隙率が上がり、保水性が高まっています。最後のピートモスとプロファイルを混合したのは、ピートモスを少しずつプロファイルで代替した場合にどのようなことが起きるのかを確認したかったためです。ピートモスの比率を一定にしているので、傾向はプロファイル単独の場合と同じ、かつより抑制されている感じですが、飽和時の空隙率と保水性は相乗効果があるのか、それぞれの単独使用よりも高まっています。 Tifton Physical Soil Testing Laboratoryが推奨した組み合わせは「砂80%+ピートモス20%」でした。「砂85%+ピートモス10%+プロファイル5%でも大丈夫だが、透水速度がやや早過ぎる」という指摘ももらいました。USGAの基準では毎時6インチ以上の速度があればよいとなっていますが、実際には早過ぎると乾燥しやすかったり、保肥力が低かったりして芝の生育が悪くなります。 日本のグリーンキーパーは梅雨の存在や高温多湿な気候を理由に透水速度が高いグリーンを好み傾向が非常に強いですが、僕のこれまでの実際の経験から言うと、その考え方は大変危険だと思います。透水速度が早過ぎる土壌は養分を蓄える力が弱く、いわゆる「地力」がない状態になりやすいです。また、乾燥しやすいことも芝への強いダメージの原因になります。グリーンキーパーが透水性に拘るのは、それまで与えられてきたグリーンの土壌があまりにも透水性が悪いからに他ならないのですが、行き過ぎ(高すぎる透水性)も問題だと思います。 プロファイルのような多孔質な無機物はスポンジのような働きをして保水力もありつつ潰れずに空隙率を維持するので透水も確保できるようです。時間が経つと様々な有機物が土壌中で分解されゴミとなって空隙率を下げ、透水性を低下させますが、こういった多孔質はその問題への改善策の一つになりえます。ただし、USGAも注意喚起しているようにこれらの無機物は似たようなものでも品質のばらつきが大きく、経年劣化し土壌中で崩れてむしろ空隙率を著しく低下させる要因になり得るので、その選択には十分注意が必要です。参考までにプロファイルは非常に硬く長期的にはピートモスよりも優れている、とのことです。これらの改良剤はピートモスに比べて価格もかなり割高になるので、コストパフォーマンスを考えて選びたいところです。 今回推奨された砂80%+ピートモス20%では保水性が低く心配だ、という複数のアメリカのグリーンキーパー(スーパーインテンデント)のアドバイスもあり、プロファイルを少し混ぜて保水性を高めることにしました。また、pHが低すぎるので炭酸カルシウムを混合して土壌が弱酸性になるように調整することにしました。 もう少し安定的に気温が高くなったところで種まきをします。

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